水通し・地直し
- 裁断前に生地は水通しした方がいいですか?
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綿100 %ですので水通ししてください。 2〜3時間で水に浸けていただければ結構です。
一晩付けておいても構いません。その後、軽く脱水してシワを伸ばすようにして干してください。 - 水通し後、裁断前にアイロンは必要ですか?
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水通し後、軽く畳んだような折り線の跡でしたら、裁断するのに問題無いのでアイロンは不要です。パターンを平に置きにくい位くしゃくしゃになってしまった場合のみ、地直しの前にさっとアイロンを当ててください。アイロンはシワを取るためのものであり、地直し作業ではありません。逆に、アイロンをかけることによって、地の目を引っ張ってしまい、良くない場合もあるので必要以上にアイロンで整える必要はありますせん。
- 生地の地直しと水通しはどちらを先にやっても構いませんか?
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水通し後に、しっかり乾かしてから地直しです。半乾きで「アイロンをかけてシワをのばすこと」が地直しと思われている方が多いですが、地直しとは、生地の整体、地の目を正すことで、シワを取ることではありません。パターンがある服の場合は、水通し後、裁断をする前に地直しをします。
裁断
- 裂ける生地、裂けない生地の見分け方はどのようにみるのですか?
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実際に裂いてみて裂けるなら裂く、裂けないなら横糸をひくというように判断します。
色々な生地を触るうちにだんだん見分けが着くようになりますが、 薄い生地で織りの密度が高いものの方が一般的に裂きやすいです。 - ロータリーカッターでの裁断時、布端ががたがたになってしまいます。
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コツとしては、結構力を入れて、短い距離ずつでもいいので一気に進みます。少し進んで、そこで刃を生地から離さないでまた少し進む。の繰り返しです。あとは、刃が生地に対して斜めになっている場合が多いので、生地に対して垂直になるように置き、左手はできるだけ刃のそば、真横に置いて生地をで押さえます。手先だけで切ろうとせずに、肩から腕までを使いながら動かすようにカットしてみてください。
- 裁断の時に中表にするのはなぜですか?外表の裁断が良い場合もありますか?
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どちらでも出来上がりに問題はありませんが、最も大切なのは『いつもどちらか。というのを習慣にする』 という事です。 その都度違うと、その後の作業で考えることが多くなり、間違いが起きやすくなります。中表ですと、汚れが付くことを防いだりといった利点もありますので、どちらかに決めるのであれば、中表がオススメです。 工程や段取りが大切な事はおわかりいただけたと思いますので、その大切な最初のルールです。 また、柄で表にしないとわからないものの場合は表にすることもあります。
- 見返しに芯を貼る時、生地と芯の地の目はキチンと合わせた方が良いのですか?
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表生地と芯、それぞれに地の目を合わせて荒裁ちし貼り合わせれば、ほぼ地の目は合っています。 その程度で大丈夫です。 荒裁ちは大きすぎるとズレやすいのでほどほどの大きさにし、それぞれわの中心部分の上下にV字で切り込みを入れ、 貼る時にそこを合わせれば地の目が合いますのでやってみてください。
セットインブラウス縫製
- 前身頃の左側の見返しの押さえステッチは、どうしたらよれないで縫えますか?
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前身頃のステッチで押さえる辺りは、本体の生地がバイアス部分に当たるので、とても押さ れやすいです。後ろの襟ぐりがきれいにいったとしたら、同じ手加減で前身頃を縫い進める と ヨレてしまいます。 また、前は右肩の縫い線を合わせスタートしますが、前中心は縫い線のような目印がない ため、押されてきてしまっている可能性が高いです。縫い終わりの左肩も留まっているの で、ずれた部分を入れ込むことになり、ヨレが生じてしまいます。 対策としては、手でしっかりと押さえずれないように縫うのが大切ですが、一周の中でも、前 身頃の右側を特に意識してみましょう。それでもずれてくる場合は、前中心をマチ針で止め ておくときに、 ティーマットの時と同じように少し先に止める。 という事をしてみてください。
- ダーツや襟ぐりの内カーブを綺麗に縫うコツはありますか?
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内カーブがうまくいきにくい要因として、左手の押さえる力が足りない場合が多いです。 右側のマ グネットに押さえつけるような感じで、特にカーブの強い箇所は 2〜3針進んだら、押さえを上げて 方向転換を繰り返してみてください。縫っている箇所だけでなく、服全体を一緒に回していくことも ポイントです。 Q 襟ぐりの処理ですが、切り込みを入れるか細くカットするかはどうやって決めたらよいです か? 切り込むメリットとしては、縫い目ギリギリまで開く事ができ、作業が早いので、どちらでも同じ仕 上がりなら切り込みにします。透けるものは縫代込みのデザインなので細くカットしますが、普通 地〜少し厚手の生地は、縫代を細くしてしまうと縫代が中で立ち上がってしまう事があり、1cm程 度の縫代の幅があった方が落ち着きます。 両方、メリット、デメリットがありますので、生地によっ て使い分けていただけたらと思います。
- 返し縫いがうまくできないのですが、対処法を教えてください。
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返し縫いは、短い距離で素早く上下に動かさないとならないので、生地が追いつかず、くしゃっと なりやすいです。 左手の中指と人差し指で押さえの上下を挟むようにして生地を ピーンと張って 返し縫いの進む方向に生地を強制的に動かしてみてください。 又は、ヤスリを当てて返し縫いす るのもいいです。
- 裾の三つ折りなど、大きいものを縫う時も布をミシンの広い左側ではなく右側に置いた方がい いのですか?
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はい、右側に置きます。 生地の置く場所としては左側の方が広いですが、左側に置いてしまう と、左手の指マチ針を置くための生地が無いからです。 マチ針を使わないために、左手の指マチ 針は必須です。生地の少ない今回のブラウスなどで左手の使い方を練習していくと、その先大物 のジャケットなど どんなものになってもマチ針を使わずにきれいに縫えるようになっていきますの で、ぜひ練習してみて下さい。
- 袖口がツレてしまうのは、アイロンや縫う際の引っ張り加減の問題ですか?
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アイロンが足りなかったのもあるかもしれませんが、 どちらかと言うと、縫う時の引っ張りのように 思います。 真っ直ぐに引っ張っては、縫い終えた時に、ツレたようになってしまいがちです。 袖口 の両端は、カーブしているので、 そのカーブのように引っ張る事が大切です。
- 袖付けが難しいのですが、よい練習方法があれば教えてください。
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袖ぐりは、前、後ろそれぞれ3分割に合印がありますが、慣れないうちは、その間にも合印を入 れておくといいです。最初は指3本分ずつくらいの短い距離ごとに進めるとよいでしょう。そのうち 慣れてくると、長い距離を一度に進めるようになりますので、まずは手つきや布の運びに慣れて いってください。
- 縫い直したい箇所がある場合、全部解いた方がよいですか?
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裾上げや見返し押さえステッチのように表に見える箇所は全部解きますが、中縫いは表に見え ない箇所なので、気になる部分だけ解けば大丈夫です。特に袖ぐりなどは何度も解くと生地の織 りを伸ばしてしまう可能性がありますので 、必要な箇所のみ解くようにしましょう。
- 襟ぐりや袖付けの際、脇線と袖下の線や肩と見返しの線がいつも2mmぐらいずれてしまいま す。何か対処法はありますか?
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押さえで押されてくる力は思っている以上に強く、上側の布(見返しや袖)が押されてきやすいの で、ズレた場合、ほぼこちらの方向にずれてるはずです。毎回2mmズレるのであれば、2mm奥に 上側の布をあわせて縫ってみましょう。この2mm、とかの感覚は、 生地を押さえる手の強さなど でも微妙に変わりますので、 ご自分の感覚を掴んでちょうどいいところを探すようにしてみてくだ さい。 また、縫い始めを合わせたつもりでも、押さえを下ろした途端にズレる場合もあるので、 押 さえを下ろす前に針をそっと刺すのも有効です。
- 袖山にかけたいせミシンの糸は、そのままでも良いですか?
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抜かなくて大丈夫です。 ミシン目は荒いですがある程度の長さがあるので解けてこないことと、 その上をロックミシンをかけるので、お洗濯を繰り返してもいせミシンが出てきて困ることはまず 無いと思います。
- 縫代に切り込みを入れたところで衿のラインがカクカクしてしまうのですが、滑らかなラインに するにはどうしたらよいですか。
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切り込んだところは、どうしてもアクセントになります。 アイロンで縫代を割る時、[切り込みから切 り込み]の1区間ごとではなく、繋げて1本の曲線になるように意識してかけてみてください。曲線 をキープしたまま張る、というイメージです。
- 縫製中、黒い油が付いてしまうことがあるのですが、防ぐ方法はありますか?
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ミシンの油汚れについては、縫い始める前に汚れている部分を拭くこと、垂れてくる箇所(押さえ がついている棒の根本あたり)に、邪魔にならない程度に小さなティッシュをマスキングテープで 貼り付けること、といった対策をしています。
